最近よく聞くようになった英検S-CBT。
英検S-CBTがどんな試験なのか、みなさんはご存知ですか?
よく聞くようになったとはいえ、まだまだ未知の部分も多い英検S-CBT。
英検S-CBTを受けたいけれど、どう勉強したらいいの?
S-CBTに特別な対策は必要なの?
今回は、2024年1月に英検S-CBTで準1級を受験した私の経験をもとに、準1級S-CBTの特徴とおすすめの勉強方法についてまとめてみたいと思います。
先日、なんとか合格通知を手にすることができました!私の経験がお役に立てるとうれしいです。
別の記事では、当日の流れについても書いているので、受験前の方はそちらもチェックしてみてください。
- 英検S-CBTの特徴とメリット
- S-CBTで準1級受験を考えたらまずやること
- おすすめの勉強方法
英検S-CBTってどういう試験?
2024年現在、英検申し込みの際は、従来型とS-CBTのどちらかの受験方式を選ぶことができます。S-CBTなんて言われても、どんな試験かわからないから申し込めない!といったところでしょうか。
そもそもS-CBTって何を意味してるの?
CBT=Computer Based Test のことで、コンピューターでテストを受けるということです。
英検S-CBT?何それ?!と思った方のために、まずはその特徴について簡単にまとめてみます。
英検S-CBTの特徴
S-CBTの特徴は、まとめると以下のとおりです。
- 英検(従来型)と同じ資格が取得可能
- 原則、毎週土日に開催
- 1日で4技能すべて測定できる
- ライティングはタイピング方式か筆記方式を選べる
- 基本的なPC操作が必要
- 実施級は、準1級・2級・準2級・3級のみ
簡単に言うと、PC操作ができれば、日程と場所が選べて「1日だけ」で受けられる効率的な英検ということです♪
もっと詳細を知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
英検S-CBTを選んだ理由(メリット)
私がこの英検S-CBTを選んだ理由は主に2つあります。そして、この理由がまさにこのS-CBT方式のメリットだと考えています。
- 最寄りのテストセンターで受験したかったから
- 1日だけ都合をつければ済むから
最寄りのテストセンターで受験ができる
私の場合、幸いなことに最寄りのテストセンターが隣接市内にあったので、迷わずそこの会場に決めました。
受験を申し込んだあとに、自宅から遠いor行ったこともない場所の会場を指定されることがありますよね・・・それが一番嫌でした。
また、会場がどこになるか直前までわからない状況(従来型の英検)より、あらかじめ自分で決められる方が断然良い!
というわけで、ご自宅や勤務地の近くにテストセンターがある方には、とてもおすすめなS-CBTです。
1日だけ都合をつければ済む
そして、我が家は土日もワンオペなことが多いので、予定を空けるのが1日で済むというのがとてもありがたかいです。
1日とはいえ、最寄り会場を選んだので、往復時間をあわせても半日(4~5時間)の外出で済みましたよ!
家族にさほど迷惑をかけずに受験できるのは、育児中のママにとってはとても助かりますね。忙しい社会人のみなさんにもおすすめです。
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英検S-CBTがどういう試験かはわかったので、具体的にどういう勉強をしたらよいか知りたい!!
準1級受験を考えたらまずやること(過去問を解こう)
さて、ここからは、英検S-CBT対策について具体的に紹介していきます。
さっそくですが、申し込む前にまずは従来型の過去問を一度解いてみることを強くおすすめします。そしてできれば、S-CBTの試験内容とPC操作方法をチェックしましょう。
S-CBTは、「慣れ」や「準備」が必須です。試験会場ではじめて操作画面を見るということがないように、公式HPで紹介されている試験内容について、事前に読んでおくことをおすすめします。
過去問が教えてくれること
どうして過去問を一番最初に解く必要があるの?
自分がどのレベルにいるか確認するためです。自分のレベルを知って、適切な対策をとることが重要です!
独学で英検の勉強をする際にやってしまいがちなのが、
「ある程度知識を蓄えてから過去問を解く」ことではないでしょうか?
これ、私もやっちまいました・・・
決してそれが悪いわけではないですが、一番最初に過去問を解かなかったことを途中で後悔しました。勉強を進めるたびに新たな壁が見つかり、「最初にわかっていれば効率的に対策を進められたかもしれない」と思うことがあったからです。
というわけで、過去問を最初に解いてみてください。
全然解けなくても結構!あくまで、今の自分のレベルを知ることが重要です。
準1級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会 (eiken.or.jp)
スピーキング(二次試験)の例題については、↑こちらからサンプル問題をチェックしてみてください。
課題をあぶり出そう
過去問を解いて自分のレベルを把握できたら、課題が見えてきますね。
ここでまず課題をあぶり出すことで、効果的な対策をとることができるはずです。
また、申し込む前に課題がわかれば、必要準備期間も予測できるので、自分に合った日程を選ぶことも可能になります。(毎週土日開催のS-CBTならではの選択!)
- 【空所補充問題】単語力の強化は必要?
- 【長文読解】時間かかりすぎてない?
- 【リスニング】問題ジャンルによって得意/不得意はある?
- 【ライティング】やみくもに書いてない?
- 【スピーキング】表面的な説明で終わってない?
過去問を解いて課題が見えたら、実際にそれぞれの課題について対策をとっていきましょう♪おすすめの勉強方法を紹介していきますね。
分野別おすすめの勉強方法
①単語力強化のためにやったこと
準1級ともなると、見たこともなかったり読み方さえ怪しかったりするような単語がたくさん出てくるようになります。空所補充問題では、選択肢4つとも知らない単語・・・なんていうこともありました。そんなときは、消去法すら使えません。
単語は地道にインプットするしか方法はないというのが正直なところです。
好きな単語帳を用意して、本番までに最低3回は読もう!
自宅学習時はできれば音読で読もう!
最初はわからない単語だらけで泣くほどでしたが、3回くらい繰り返し読んだら、解ける(自信をもって答えられる)問題が格段に増えました!
②長文読解対策は過去問だけでも十分
準1級を受けようとしている方であれば、過去問に挑戦すると、長文の全文を一気に読む必要はないということがわかると思います。
これ、学校のテストや入試でも同じことが言えますよね。
要は、出題パターンに合った効率的な読み方をすることが長文問題攻略のカギとなります。
形式 | 内容 | 問題数 |
長文の語句空所補充 | パッセージの空所に文脈に合う語句を選択 | 6問 |
長文の内容一致 | パッセージの内容に関する質問 | 9問 |
パターン別の読み方を身につけて、過去問を解きまくろう!
語句空所補充問題で気をつけること
長文のパッセージ内の空所補充問題は、イディオムや文法に関する知識に加え、さらに前後関係の読解が必要となる問題が基本です。
問題を解く前にパッセージを一気読みするのではなく、必ず問題を解きながら前後関係を読み取ってください。
まとめの文章なのか、言い換えの文章なのか、逆のことを述べている文章なのか・・・そういうことも意識しながら読んでください。
長文の内容一致問題で気をつけること
続く長文内容一致問題に関しては、注意してほしいことが3点あります。
- 一気読みをしない!
- 問題文を先に読む!
- 1段落ごとに1問なので、1段落ごとに読めばいい!
①と②は、記載のとおりですが、③はS-CBTで受験する場合注意も必要です。
何と言っても、PC画面上で長文は読みにくい!
画面に「パッセージ+問題文」が表示されていると小さすぎて読みにくいし、拡大すると「パッセージが別画面」として表示されるので、問題文と並べて読み進めることが難しいんです。
やりにくくても、これは慣れるしかありません!
または、やりにくさをカバーするためにも、時間を確保したいところです。
③リスニングは慣れと問題の先読みにかかっている!
英検リスニング対策として、従来型用の問題集や過去問に取り組みました。特に、問題集についてきたCDは、車の中で聴き流したりくまなく問題を解き進めたりしました。
あれ、リスニングけっこういけるかも??と少し余裕こいたのも束の間・・・
S-CBT用の問題集を買ってウェブテストを受けてみたら、「あれあれ?ちょっと様子が違うぞ・・・」と気づくのでした。
とにかく多聴!たくさん聞くこと!
慣れたら、雰囲気を体験できるS-CBT用の予想問題を解こう!
たくさん聴いて慣れよう
準1級のリスニング問題の内容と問題数は、こちらの表のとおりです。
形式 | 内容 | 問題数 |
会話の内容一致 | 会話の内容に関する質問 | 12問 |
文の内容一致 | 説明文などのパッセージの内容に関する質問 | 12問 |
Real-Life形式の内容一致 | アナウンスやラジオ放送などの内容に関する質問 | 5問 |
リスニングパートでは、自分の得意な形式の問題では必ず点をとっておきたいところです。
特に、会話文とReal-Life形式の内容一致は点を取りやすい部分だと思うので、とにかくたくさん会話を聞いて、慣れてください。
選択肢の先読み方法を知っておこう
さらに、リスニング問題を解くうえで重要なのが、問題の先読みです。
先ほど、従来型と様子が違うと書いたのは、まさにこの問題についてなのです。
これについては、S-CBTのデメリットというしかない「先読みのしにくさ」について書いておきたいと思います。
1問ずつ選択肢が表示される仕様になっているため、次の問題の選択肢は基本的に見ることができないということを知っておいてください。しかし、先読みする方法はあります。
従来型の方が先読みのしやすさでいうと圧倒的に有利です。しかし、S-CBTも先読みできないわけではないので、先読み方法を身につけておいてください。
- 一瞬で答えを導き出し、選択肢をクリックする
- すぐに「次の問題へ」ボタンを押す
- 制限時間内のみ次の問題の選択肢が表示される
- 制限時間が終わると、自動的に次の問題に切り替わる
重複しますが、先読みをする場合も気をつけたいのは、
迷っているヒマはない!ということ。
慣れて慣れて慣れまくって、一瞬で答えを選ぶくらいの余裕でリスニングに挑んでください。ただし、先読みに意識を取られすぎるのも厳禁です。
おすすめのS-CBT専用予想問題集
ここで、私が買って良かった問題集を紹介したいと思います。
旺文社『英検CBT/英検S-CBT専用 英検準1級予想問題ドリル』です。
これがなかったら、私は間違いなく本番でミスっていたことでしょう。
この問題集はS-CBT専用で、ウェブ模試を受けることができます。実際のテストと近い環境でリスニングの先読みについてもシミュレーションできたので、とてもおすすめです!
④英検準1級ライティングは公式を身につける
英検準1級のライティングでは、トピック(お題)について、与えられた4つのポイントのうち2つを使って自分の意見を記述する必要があります。
ライティングパートは1問で他のパートに匹敵する配点がされているのも特徴ですが、英検用のライティング技術を身につければ平均はクリアできるというのも事実だと思います。
実際に私は、平均を狙って対策しました。英検用のライティングスキルを学べば、あまり負担にならないはずです♪
意見は本心でなくて良い!書きやすい意見を選ぼう!
序論→本論→結論の流れと定型文を覚えて応用しよう!
S-CBTの良さを発揮できるのは、タイピング方式!
「嘘でもいいから意見を述べる」練習をする
与えられたトピックに対して、賛成or反対を述べる問題と単純に考えを求められる問題とがあります。
大事なことは、嘘でもいいから自信をもって意見を伝えきるということ!
①本心は賛成だけれど、提示されたポイントを使って作文は難しいな・・・
②反対とは言いたくないけれど、ポイントを使って組み立てやすそうだな・・・
こういう場合は絶対に②を選んでください。書きやすさを重視しましょう。
ライティング用テキストで流れと定型文をインプット
まず、1冊好みのライティング用テキストを準備しましょう。
私は、旺文社『英検分野別ターゲット 英検準1級ライティング問題』を購入しました。書店で手にとって、取り組みやすそうと思ったのがたまたま全て旺文社さんのものだっただけで、宣伝しているわけではありません・・・
こちらの問題集に載っている作文を徹底的に読み、写経しました。そうすることで、定型文もいくつか頭に入り、だいたいの作文構成がインプットされます。
タイピング方式を選択し、PCを使って練習
英検S-CBTでは、申込時に筆記方式かタイピング方式を選ぶことができます。S-CBTの良さを発揮できるのは、間違いなくタイピング方式です。英文のタイピングに支障のない場合は、こちらを選ぶのが正解です。
写経で準1級ライティングに慣れてきたら、必ず、タイピングで作文練習をしましょう。
上で紹介したテキストにある模擬テストなどを実際に書いてみましょう。Wordを使えば文字数もわかるし、一石二鳥です。
本番の画面には、文字数が表示されるという親切さ!
間違えても消すのは簡単だし、手も疲れにくくておすすめ!
実は、私が受けた回で同じ教室にいた受験者のうち、なんと私以外全員が筆記方式でした。なぜ?
何度も言いますが、タイピングに不安がなければ選んで損はないです!
⑤スピーキングは想像力と演技力をフル稼働
英検S-CBTの場合、テストの一番はじめに行われるのが、このスピーキングです。従来型でいうところの二次試験ですね。
いきなり!?
そうです、緊張感もまださめやらない状況のなか、いきなり始まるスピーキングテスト。そして、準1級のスピーキングテスト・・・かなり独特です。
日常会話は問題ないからスピーキングは大丈夫なんて思ったらダメ!そういうレベルの試験ではありません。
でも、S-CBTのいいところは、対面ではないので(録画)割り切って試験に臨めます。ロボットと話す感じかな?
ナレーションは想像力でストーリーをふくらませる練習を!
質疑応答は、キャラ設定に沿って演技するつもりで!
ナレーションの練習
独特~
もうね、この一言に尽きますよ、準1級の2分間ナレーション。
しかし、これまたスピーキングのなかでは得点源にしたいところなので、決して準備を怠ってはいけません。
私はこちらの↑問題集を使いましたが、4コマのイラストと最低限与えられた情報をもとに、いかにストーリーをふくらめて語れるかを、徹底的に練習しました。
英語でその日やったことを説明する練習をしたり、物事を英語で説明する練習をするのも良いと思います!
イラストを見ながらナレーションの準備をする1分間で、ストーリーを組み立てなければなりません。イラストを見て、想像力を働かせて情報を補足説明する練習をしましょう。
質疑応答は難易度高め
個人的に、一番手こずったのはこのパートでした。本番当日になっても一番不安でした。
質疑応答は全部で4問あるのですが、それぞれの質問に対して答える時間は40秒。これを長いと考えるか短いと考えるか・・・
はい、短いんですよ。
社会問題や時事問題に関する質問に日本語で意見を言うことだって難しいのですから。
それだけ、社会問題への意識や知識を問われる問題となっています。
私は、ライティングのテキスト(ライティングも社会や時事問題をテーマにすることが多いので、内容的に近い)と二次試験専用のテキストを使い、社会問題に関する用語や英単語を勉強しました。
あとは、瞬発力と「自信があるようにみえる」演技力で乗り切るといったところです。
まずはYes/Noの意見を表明し、次にその根拠を40秒以内に言う練習をしましょう。また、日頃から時事問題や社会問題に触れておきましょう。
さいごに
今日は、英検S-CBTの特徴と勉強方法について、私の体験をもとに紹介してきました。
何となく、S-CBTには良いところも大変そうなところもあるということがお分かりいただけたでしょうか?
ただしそれは、従来型の英検にも言えることです。
英検準1級をS-CBTで受けることを検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考に勉強の計画をしていただければと思います。S-CBT専用の対策をとることで、本番で焦ることなく試験に臨めるはずです。
S-CBTで英検準1級に合格する方が、もっともっと増えますように!