公務員って、単純作業ばかりやってるイメージ。ラクしてお金もらって・・・つらいことなんてあるの?
「公務員はラクそう」というイメージが昔からありますよね。私は転職して公務員になったいわゆる「転職組」ですが、公務員が特別ラクだとは思っていません。
一般的に、公務員というと以下のようなイメージをもたれることが多いと思います。
- 残業もなくてラクそう(+)
- 安定していてうらやましい(+)
- ローンが組みやすそう(+)
- 堅苦しそう(-)
- 単純作業ばかりでつまらなそう(-)
このようなイメージが先行するため、つらいことなんてあまりないのでは?と考える方もたくさんいらっしゃることでしょう。
しかし、実際には、(当然のことながら)(どんな職業でもそうですが)つらいこともたくさんあります。
そこで今日は、公務員として働くなかでつらいと感じることについて掘り下げてみます。そして、つらいときの対処法についても経験をまじえてお伝えしたいと思います。
30歳のとき、結婚・出産・育児にそなえて地方公務員(県行政職)に転職。しかし最初に配属されたのは、自宅から車で1時間かかる距離の場所。そこで3年間耐えた後、希望が叶い自宅から車で10分の勤務先へ異動。
そうこうしているうちにコロナ禍に突入し、私自身も2020年12月から産休→育休へ突入。
2023年4月に職場復帰し、忙しさと久しぶりの社会活動に翻弄され暗黒期を経験。朝活やブログを始め、ちょっとしたワクワクで日々を楽しめるようになり、「公務員を辞めずに」現在に至る。
つらいことその①:変わった人がたくさんいる
私が出会った変わった人
いますとも。変わった人。思い浮かぶところだと、
- 感情が思いっきり言葉と行動に出る(床に崩れ落ちたりする)人
- 挨拶ができない人
などでしょうか。
漫画?いえ、現実です。
床に崩れ落ちる同僚、あなたの周りにもいますか?
私の発言(会話)が原因で床に崩れ落ちられたこともあります。この方はよく独特なリアクションをしているのを見るので気にならないようになりましたが、初めて目の前で目の当たりにしたときは、本当にびっくりしました。
対処法:自分のキャパを広げ、受け容れ受け流す
人間関係は悪化させる前に冷静になろう
その人のことを嫌いになってしまいそうになったり、相手のリアクションが発端となり「自分の何がいけなかったのだろう」と気にしすぎてしまう場合など、人間関係問題に発展してしまうのは、避けたいところですね。
- 顔も見たくない
- 話しかけるタイミングを見計らってしまう
- 私何もしてないよね?!と怒りがわいてくる
こんな風な状態になってきたら、一度冷静になるのが賢明ですね。
それでは、変わった特徴をもつ人も自分もどちらも傷つかない対処法はあるのでしょうか?
コツは受け容れて受け流せるように自分のキャパを広げること
ずばり、そのコツは、
個性を受け容れ出来事を受け流せるように自分のキャパを広げること。
具体的には、このようなこと↓をして「やり過ごす」のはいかがでしょうか。
- うわっ!と思った瞬間、個性的~♪と気持ちを変換して認識するようにする
- 相手の良いところを見つける(観察対象にしてみる)
- 自分は自分、相手は相手という境界線をはっきりさせ、影響されすぎない
- 相手のことを可愛い個性の持ち主と思える境地に至る
- そしてたまには笑い話にして友人などに吐き出す
育休から復帰した直後、職場で周囲の人から影響を受けすぎて自分自身がつらくなってしまう時期がありました。その時期はくよくよ悩んでしまったのですが、「気持ちの切り替え」が下手になっていたことに気付いてからは、上記のやり過ごし術を実践することで、他人のことは気にならなくなりました。
つらいことその②:副業ができない
公務員は副業が制限されている
つらいことの2つめは、副業(複業)ができないことです。
まず公務員になると、「服務の宣誓」といって「自分は全体の奉仕者として責務を果たし公正に職務に専念することを誓い(要約)」ますよ~という内容の宣誓書に署名をします。
そして、兼業(副業等)について制限が設けられています。
つまり、
公務員は本職に専念し守秘義務を守るべきで、信用をなくすような行為をしてはならず、したがって兼業(副業)もしてはならない
ということです。
上記のことが法律で定められているわけです。
営利目的で企業に関わったり自分で事業を運営したりすることはNGです。報酬が無くても、上記の観点を脅かすような状態(本職がおろそかになる等)になる恐れがある場合は、当然NGということになります。
認められている副業はどんなものがある?
でも副業の制限があるということは、認められる副業もあるということ?
そうなんです。申請は必要ですが、一部認められる副業もあります。具体的にどんなものが許可されるかについても、少しふれておきます。
- 不動産(賃貸や投資)
- 投資(株式やFXなど)
- 講演・執筆業
- 小規模農業
- 家業の手伝い など
なかには、奈良県生駒市や神戸市などのように一部副業が解禁されている自治体もあります。
そういった自治体の推奨する副業は、「スキルアップ」や「地域貢献」につながるものであることが条件のようです。
どうでしょう?今後、公務員の副業が全面解禁される時代が来るでしょうか?
誰だって、ここではないどこかを空想するときがありますよね。正直、そこまで高くない収入で面白味の少ない業務なのだから(笑)、報酬の有無はともかく興味のあることにチャレンジできる土壌さえ整えば、公務員生活にもハリが出ると思うんですけどねぇ。
なぜ副業できないことがつらいのか
副業が禁止されているなかで、それでも、「物足りないな」とか「もしできることがあるなら違うことをしてみたいな」、「副業が解禁されたら興味あることで報酬を得たいな」などと感じている公務員は一定数いると思うのです。
- 収入は高くないのに、副収入を得る手段が限られているから
- 好きなこと・興味のあることを追求したくなるとき
- 可能性や自由を奪われている気がするから
恥ずかしながら、私にも育休明けに「公務員やめたい!違うことしたい!自由になりたい!」モードが訪れましたので、副業ができないという状態はとても窮屈に感じたものです。これといってやりたいこともないのに・・・です。
特にやりたいこともできることもなかった私は、新しいことを始めてみたり自己分析に熱中したりして、それなりにもがきました。そのもがいた期間に何をしてどういう結論に至ったか、紹介していきます。
対処法:自由時間を充実させまくって楽しんでみる
焦って結果を求めず、自分とじっくり向き合う自由時間を意識的に作る
出産~育児の時期というのは、自分をないがしろにしがちです。
家族が大事だから、こどもが可愛いから、無意識にそうなっていくのですけどね。
私の場合、2年半の産・育休を経て職場に戻った瞬間、急に壁にぶち当たりました。
急に「社会」に戻った途端、あらゆる出来事に引きずられて自分が疲弊し、こんな不幸な働き方をしていては家族にも顔向けできないと思い始める、そんな壁でした。そして、ここではない居場所(=違う働き方)があるのではないかと真剣に考え始めたわけです。
でも、何の取り柄も資格もない自分・・・
そこで考え始めたのです。40歳を目前にして始めた、自己分析(笑)
私って、どんな人だったっけ?何がしたくてどう暮らしたいんだっけ?
それを考えるために、自分が自分のために過ごせる自由時間を意識的に作る努力をしました。
私の場合、朝活時間と娘就寝後のダラダラしがちな夜の2時間を自分のために過ごす自由時間として設定することで自分とじっくり向き合いました。
自由時間を充実させて楽しむが吉!
ここでテーマの確認を。テーマは「副業禁止がつらい」でした。
何が言いたいかというと、私のように「何かしてみたいけれどこれといってしたいことがない」人は、ぜひ自由時間を意識的に作ってその時間を思いっきり楽しんでみると良いのではないでしょうか!
自由時間に副業で稼ぐことはできないけれど、個性を磨いたり未来の可能性の種をまいたりして自由時間を楽しむ自由が、私たちにはあります。
- ひたすらに自己分析(ママにはおすすめ)
- 投資や株の勉強(これで儲ける分には副業にはならないので◎!)
- スキルアップ系の勉強(IT、英語、Webライティングなど)
- 健康づくり(体力面・食事面など) など
焦りは禁物。
その人それぞれのペースやタイミングもありますしね。
何か特別なことをしなければいけない理由もないですしね。
とりあえず、そんなこんなで自由時間を楽しんでいたら、「自由時間があって小さなワクワクやできることが増えていく地味な幸せの蓄積があれば、なんとかやっていけるのが私という人間なのだ」と認識できました。
つらいことその③:業務内容に興味がもてない
行政職公務員の悩み=業務内容に興味がわかない
最後に、行政職の公務員にはあるあるの、自分の担当している業務に興味がもてないというつらさについて書いていきます。
興味がもてなくたって、いいんじゃない?悪いことしてるわけでもないし、興味あることばかりが仕事じゃないでしょう。
そのとおりです。それが仕事というものです。しかし、あまりに面白みがなかったり無駄な業務がまわってきたりすると、「これやって何になるのだろう」と虚無感すら感じることがあります。
行政職公務員の一般的な業務内容とは?
地方公務員の種類には、医療職や福祉職、研究職や教育職などさまざまな領域が存在します。自衛官や警察官なども地方公務員に含まれるので、実にいろどり豊かな人たちの集合体だと言えます。
医師・看護師や管理栄養士、そして教師などのような資格や免許が必要になる職種と異なり、行政職は「なろうと思えばなれる」職種です。
それだけに業務内容の幅は広く、入職後はなんでもやることになります。
厚生労働省の管理する職業情報提供サイトでは、地方公務員(行政事務)を以下のようにまとめていました。
市町村は、基礎的な自治体として、住民登録、戸籍関連の事務、地方税に係る事務、保育園の入所、小中学校等の運営、医療・介護・具櫛・年金の手続、道路や都市計画、保健、水道事業、ごみの収集・処理等を行っている。
都道府県は、広域にわたる事務や市町村に関する連絡調整などの役割があり、農地や都市計画、道路、河川・海岸等の建設・整備、高等学校等の運営、農林水産業・商工業等の産業振興等を行っている。
職業情報提供サイトjobtag 「地方公務員(行政事務)」より引用
なんだか、立派な仕事に見えますね~(皮肉)
一般的には、こういったことが業務内容として挙げられるのでしょう。
表向きの業務内容を支えるこまごまとした業務が7~8割
上記のような業務内容は一般的に知られている業務内容だと思います。
実際には、その業務の裏で、本当に本当に小さな業務がこまごまとあちらこちらに存在しているのが公務員の仕事です。
- 電話応対(クレームもあり)や来客対応(湯茶接待も時にあり)
- 書類のファイリング(規定が厳しい)
- 説明責任を果たすべく根拠書類などの準備
- 上部機関からの調査依頼や回答依頼などの対応
- 情報の周知
こまごまとした業務は、やって当然ですし、どんな仕事にも存在しますよね。本当に厄介なのは、次のような業務に関してです・・・
興味がもてないというつらさの根底には、意味のあることなのかわからないような、無駄とも言えるような、こまごまとした仕事の存在が大きく横たわっているような気がします。
- 本当に県民・市民のためになる?と思うようなことをやりがち
- 鶴の一声で動きがち
- 横のつながりでどうにかなる調査内容を下部機関へ調査依頼しがち
もちろん、上記の業務も全然無駄ではないといえばそのとおりです。
それでも時折、自分の心を納得させられないような無駄な業務があることも事実です。それが、つらさを引き起こす原因かもしれません。
対処法:自分と向き合ったうえで目標設定をし、達成感を味わう
そもそも、いち公務員が興味があるだのないだの言ったって、意味がありません。
興味なんてないけれど、続けたいなら考え方を変えてやっていくんです。
そもそもなぜ公務員になったのか思い出してみる
私が時々行っていることのひとつが、「そもそもなぜ公務員になったのか」を思い出し、今の生活におけるメリットを書き出すことです。
公務員に転職した理由 | この仕事のメリット |
結婚・出産・育児のため | 長い育休取得可・子育て休暇充実 |
無駄な通勤時間をなくすため | 家から10分の通勤距離 |
定時で帰りたいから | 勤務終了時刻が早いので子育て中には最高 |
メリットに注目して書き出してみると、「意外と悪くないじゃん」と思えるようになります。むしろ、転職当時思い描いていた理想をそのまま実行できているではないか!とポジティブになれさえします。
このまま公務員でいて大丈夫かなと考え始めた方や、脱・公務員をめざしてはいるけれど今はまだ辞め時ではない気がしている方などは、ぜひやってみることをおすすめします。
私の場合、気持ちが揺らいだときに、今の生活のメリットを思い出すようにしています。ネガティブな動機ですが、けっこうポジティブになれますよ♪
喜びを感じるポイントを意識した目標設定をし、達成感を味わう
そして、もうひとつ。これは、考え方を変えることに似ています。
業務に興味がないならさっさと諦めて、違うポイントに目を向けて達成感を味わう経験を増やしていこうという話です。
自分(あなた)は、どんなことに、どんなときに喜びを感じますか?
仕事や勉強などに取り組む場面を思い浮かべて考えてみてくださいね。
私の場合は、以下のようなときに喜びを感じます。
- タスクをリスト化し、片付いた仕事がリストからどんどん消えていくとき
- 予定を立てること、そしてそれをこなしていくこと
- 文字を書くこと、書きやすいペンへのこだわり
- ひとりで自由に時間を使えるとき など
自分の喜びパターンがわかったら、これを仕事・業務に取り組む際のマインドや方法におとし込むのです。
例えば、私は手書きが好きで、リストにあるタスクを消していくことに喜びを感じるので、付箋やノートにその日やることを全てもれなく書き出し、終わったものから見え消ししていきます。
目的は喜びや達成感を味わうことなので、無理めな予定は作らないようにしています。
このように、つまらない日々に喜びや達成感というスパイスを足す努力をするわけです。
興味のない仕事でも、ちょっと楽しめる気がしませんか?笑
さいごに
今日は、公務員のつらいこと3選とその対処法を紹介しました。
わがまま満載の記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
- 公務員の世界には変わった人がたくさんいるけれど、受け容れ受け流すことができれば気にならない。
- 副業が制限されているけれど、自由時間を充実させて楽しむ自由は平等に保障されている。
- 業務内容に興味がもてないけれど、自分なりの目標を設定し達成感を味わうことで喜びは感じられる。
つらいことがあるのは当たり前です。
それでも、こうすればなんとかやっていけそう!というマインドに自分でもっていけるようになれば、それでけっこう幸せなんじゃないでしょうか。
誰に迷惑をかけるわけでもなし、自分の精神的遊びのような感覚でいいと思います。
私もそんな感じで、公務員を続けています。
それでは、また。